四国におけるテレワーク導入
〜テレワーク活用のモデルプランの提案〜


最近、テレワークは地方から普及していくのでは?という議論もメーリングリストででてきています。四国でも新しい動きが・・

四国情報通信懇談会(会長伊東弘(いとうひろあつ)四国旅客鉄道且謦役会長)は、調査研究活動として「四国におけるテレワーク導入に関する調査研究会」(座長山田宏之(やまだひろゆき〕愛媛大学-学部助教授)を平成10年2月16日に立ち上げ、6回の研究会とテレワークイベントを開催し、平成10年/O月に報告書をとりまとめました。

現在、インターネットに代表されるコンピューターネットワークの普及により、時間や場所にとらわれない働き方であるテレワークが大変注目をされています.そこで、四国の中山間地域において、若者ばかりでなく、主婦、高齢者、障害者の方、また、lJUターンの方などの労働力を活用したテレワークビジネスを創り」すことができないか検討を行い、今まさに、インターネットの向こう側にはビジネスチャンスが数多く存在していることから、地域特性に見合ったテレワークセンターのモデルブランを作成しました.

このプランは、四国の中山間地域における課題の克服のために有効であり、新しい地域づくりのモデルになるものと考えています。

報告書の要旨は次のとおりです.(報告書からの抜粋)

四国の地域特性と情報通信基盤の現状

(1)地域特性
四国は、総面積で国土の5.O%、可住地面積で3.8%、総人□で3.3%を占めていますが、県内総生産は2.7%、商業販売額は2.1%を占めるにすぎず、経済的地位は全国的にみると相対的に低くなっています.3%台の可住地面積と人□資源を有しながら、2%台のアウトプットしか生みだすことができないと言う、いわゆる「1%ギャップ」の経済課題を抱えています.

(2)情報通信基盤の現状
四国の主要事業者のインフラヘの取組状況ですが、総じて言えばコンピュータ通信二一ズを反映しマルチメディア通信のインフラ整備は進んでおり、インターネット接続環境における四国のインフラの整備は地域住民、企業ともほぼ二一ズに沿ったサービス提供が可能であると思われます。

テレワークに関するアンケート調査

(1)アンケート調査
今四国においてテレワークを導入する上で、新たな雇用の創出という視点から把握しておかなければならない点を、各方面にアンケート調査を行うことにより明らかにしました.

(2)アンケート調査結果の要点
個人、地方公共団体及び企業ともにテレワークヘの認識は予想以上に高く、また、仕事の受注も地方公共団体及び企業から見込まれる点を考えると、四国においてテレワークを事業として行う
ことは可能であると思われます。また、どのような運営形態が適しているかについては、仕事の信頼性の確保、地域住民の研修の場及び交流の場としての期待度などから総合的に判断すると、公設のテレワークセンターの導入が適していると考えられます。

【主な事業内容】

@情報交流拠点事業
地域活性化のための受託業務として、主に町内の次の事業を展開します.
・地元企業の情報発信業務の受託事業(各観光資源のHP作成、既存HPの機能強化など
・地域の情報資源、観光資源情報の集約化事業→「情報の駅」
・地域情報のPR事業
・プロバイダ事業

A行政業務受託事業
主に久万町より、次の業務の受託を行います.
・情報公開などに伴う行政情報の電子化
・行政に関する問い合わせ応対業務の受託
・森林台帳などのデータベース整備、維持管理

B研修事業
情報化の推進により、今後大きな需要が見込まれるパソコン教室等の研修事業を行います。
・主に町内の自治体職員、教職員、生徒、地博住民を対象とします。

C地域貢献事業
研修施設、テレワーク環境(PC等)の貸与により、地壇におけるテレワーク人材発掘および、地士或の情報化への貢献を行います。

【運営形態と体制】
施設整備…町 運営…財団法入
上記の事業を展開するにあたり、運営体制は次のとおりとします。
・職員3名(内1名はプロパー職員、他の2名は久万町などより出向,
・パート職員3名

モデルプラン2
三野町交流テレワーク「はぐくみテレワークセンター」

【主な事業内容】
@行政事務受託業務
三野町からの情報公開などに伴う行政情報の電子化業務の受託国際交流協会からの翻訳業務の受託等

A業務調整機能
・業務内容の分類(行政を中心に公的機関からの業務受託)大量、定期サテライトオフィス利用か在宅か等少量、随時在宅ワーカーヘの振り分け等特定ソフトや機器サテライトオフィス利用か在宅か等
・依頼者とワーカーの中間調整ワーカーヘの業務斡旋、納期等諸条件の確認調整、クレーム処理の調整
・作業内容をランク別に振リ分け費用と質のバランスによりランク決定

B認定登録業務
・一船研修受講者の内定コース修了者又は同等の技能保有者よりテレワーク希望者を登録
・一定基準に基づきランク認定(センター独自設定)ランクアップ研修結果、及び納期・質によりランクアップ認定

C研修業務
・一般研修…一般対象研修としてワープロ、表計算、データベース、インターネット等の基礎から応用のコース設定
・特別研修…テレワーカーに対してレベルアップ研修

D活動支援
・ワーカーの相談窓ロ
・ヘルプデスク
・交流活動、講演会講習会等情報提供

E共同サテライトオフィス管理
・ワーカー一利用区画の管理登録ワーカー(固定業務でのサテライトオフィス利用)一般貸借契約ワーカーの使用スケージュール管理・解放コーナー
・会議室のタイムスケジュール管理

【運営形態】
施設整備………町  運営………公益法人


テレワークセンター導入のポイント

(1)公設テレワークセンターの設置
アンケート結果からも明らかになりましたように、仕事を受注する条件として、最大のポイントは信頼性であり、この点は地方公共団体でテレワークセンターの整備を行い、第3セクター又は公益法人が運営を行うことにより、その担保(信頼性の確保)が」来るものと考えられ、このような公設テレワークセンターの整備が成功のカギと言えます。

(2)テレワークセンターの経営基盤の安定
ア.地方公共団体からの受託業務を中心にする地方公共団体から
テレワークセンターに委託できる業務としては行政事務の効率化、情報公開条例への対応の必要性等から、次のようなものが考えられます。

@丁会議録の作成(議会費1
A会議録検索システムデータの作成(議会費〕
B数値情報化土地異動データの入力〔徴税費)
C道路台帳の補正(道路橋梁費)
D都市計画図、会議の議事録等

また、専門的な知識が必要であるが戸籍情報のデータ取込なども可能性があります.

イ.街づくり、地域おこし施策を側面から支援

(3)事業拡大の方針

ア市町村の枠を超えた広域連携を図る
イ民間企業からの仕事の受注を開拓する

(4)公的資金と促進税制の活用

公設テレワークセンターを整備する場合は、「郵政省テレワーグセンター施設整備事業」、「情報バリアフリー・テレワークセンター施設整備事業」により、センター施設、送受信施設、高齢者・障害者向け情報通信利用装置等の整備に国の補助金を活用することが可能であり、事業化を検討する際には有効です。

おわりに
今まさに、四国の中山間地域においてもテレワークを活用したビジネスチャンスが生まれていると言えます。情報通信の技術を学び、地域の人々の交流ができ、しかも仕事が出来る地域に密着型のテレワークセンターを整備、運営することは十分可能です.そして、このテレワークセンターにより、地域には新たな雇用の促進と情報発信が可能となります。

今回のモデルプランは、基本的にはどこの地方公共団体においても規模の大小はあれ活用できるものと考えます.そして、このようなテレワークセンターが四国管内220の県及び市町村において同様の整備が進められれば、四国地域の新しい雇用創出、地域の活性化策としての役割を十分果たすことができることでしょう.この研究結果が、テレワーク導入の一助になり、テレワークセンターが各地において実現することを期待します.



四国情報通信懇談会事務局
島田 悦男