2019年年頭ご挨拶

新年あけましておめでとうございます

会員の皆様におかれましては、穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は会員のみなさまのご協力で無事に第20回の節目となる研究発表大会を終えることができました。お礼を申し上げます。

昨年は、「災」が2018年の漢字に選ばれ話題になりました。全国で局地的豪雨、台風・地震があり災害の多い年でした。今なお避難されている方々も多くいます。
テレワークはBCPのツールとしても注目されているところですが、昨年のように数多くの避難者が地元の避難所に避難するような事態では、今後避難所から仕事を継続しなければならない状況が出てくると思われます。避難所で仕事をすることの善し悪しもありますが、「早めの避難行動」が一般的になれば避難所のあり方、仕事場としての設備レベルなど、培われたテレワークの視点で避難所や避難など検討する必要があるように思います。
また、2018年は外国人インバウド数は3,000万人を超えると言われています。2020年には4,000万人が政府目標です。日本では進んでいませんが、いわゆるワーケーションで観光しながら長期滞在する人もますます増えることでしょう。インバウド向けのテレワークも今後課題になると思います。
本年から外国人労働者の受入が拡大されます。受入れは日本の賃金水準を押し下げるという議論があります。こうした議論に対して、外国人労働者を活用するクラウドソーシングは日本国内でもすでに利用が進んでいます。テレワークの視点で外国人労働者の活用による生産性や賃金水準の変化を論じ、応えていく必要もあります。

ICTの進歩は日々変化しています。現在の4Gの100倍の通信速度を持つ次世代5Gの登場、臨場感を議論できる4K・8Kの高精細な画像を表示するディスプレイの登場、移動をよりスムースにするMaaSや自動運転の進展など、テレワークを推し進める技術は新しいステージに入ろうとしています。
昨年の厚生労働省が示したモデル就業規則に副業が盛り込まれ、働き方改革の機運のなかで、新しい働き方も広がりつつあるところです。短時間労働の普及など、いままで働く機会に恵まれなかった人々、特に高齢者、障がい者、育児中の人たちに、加えてフリーランスや個人事業主、経営者層には、働きやすい環境ができつつあります。しかしながら、サラリーマンには、一部の進歩的大企業を除いて、新しい働き方が広がっているとはまだ言える状況ではありません。
テレワークを進めるには、技術、制度の整備とともに、特にマインドの醸成が必要と思います。そのためには、働き方だけではなく、余暇時間の使い方、家族との時間の使い方、地域での時間の使い方、それらを実現するワーカー自身の夢と意志が求められているように思います。
日本テレワーク学会には、技術の提案、制度の提案、そして世界のワーカーが描く「夢」の提案が求められると考えています。

さらに加えて社会的には、在宅勤務の効果、フリーアドレスオフィスの効果、コワーキングスペースがオープンイノベーションに繋がる仕組み、テレワークとインベーションの関係など明らかにされていない点が多く、学会の研究成果が期待されています。

本年は、学会創立20周年を迎えます。さらなる飛躍のために、7月の研究発表大会、年2回の学会誌、研究部会、関西支部などご活用いただき、私たちに与えられた研究課題について一層活発なディスカッションができればと思います。

引き続き会員のみなさまのご助言、ご支援、ならびにご協力をお願いしたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

2019年1月1日
会長・松村茂